さよなら、子宮筋腫

子宮筋腫と子宮をとった記録

入院2日目(手術当日の術前)

起床時間は6時らしく、その時間になると部屋の電気が点けられる

看護師がやってきて、体温と血圧を測られた

大/小それぞれ便の回数を聞かれるが…

おしっこの回数なんて覚えてないがな…

それが終わると、本日の朝食を手渡された

アルジネードウォーターなる、スポドリ風の飲み物である

ちなみに昨日の夕食以降、絶食中

このスポドリ125ml×2本を飲み終えると、水分を摂ることも禁止される

そしてこのドリンクが、まあまあマズい…どうにか飲み干す

 

7時過ぎに異国の看護師がやってきて、浣腸をすると

浣腸なんて、小学生の頃のイチヂク以来である

浣腸液の量は、使い捨てビデの半分くらいか?思っていたより大量

トイレのカウチで浣腸されると、途端に我慢できなくなる

なるべく我慢しろって、無理だっつーの…

そして便は出たが…思いっきりスポドリを吐いた…全部

下剤は吐くから嫌いなんだよ…言わんこっちゃない

血圧はどん底まで下がり、冷や汗やら脂汗が止まらない

看護師に付き添われ、どうにかベッドに戻る

しかし、尻の穴を見られ、下剤や浣腸をされ、吐いたものの始末をさせ…この異国の看護師さんには申し訳ないことをさせてしまった…

こういうふうに考えるのって旧型の日本人特有のものらしいけど、考え方を改めるって難しいものだ

相手が日本人なら、間違いなくこんなふうには感じなかっただろう

 

8時半になり、回診の時間となる

入院後初めてB先生と顔を合わせるが、私の体調はそれどころではない

「さっき、3回吐いてしまって…」

「看護師から聞きました…まあ、吐いて手術ができないわけじゃないから…」

それは分かってる

とりあえず、嘔吐で私は疲れてしまった

そんな私に、先生は優しい言葉を掛けてくれる

「アルジネードウォーター、1本追加しましたから。9時までに飲んでください」

マズいから、飲まんでもエエっちゅーねん…

嘔吐の名残で、先生に縫合のことを頼むのを忘れてしまう

 

9時になると、隣の香水テレビさんが手術室へ向かっていった

彼女の主治医もB先生だったから、次が私なのだろう

 

10時過ぎに父が来院し談話室で話していると、エレベーターから手術を終えた香水テレビさんのベッドが病室へ運び込まれた

早く終わったようだ

病室に戻ると看護師がやってきて、手術室から呼ばれたので支度をしてほしいと言う

寝巻きとパンツ、ハイソックスに着替える

裸眼なので、よく見えない

支度が済むと、病棟看護師に連れられて父と共に階下の手術室へ歩いて向かう

手術室の入口で父と別れ、私は中のオペ看に引き渡された

名前の確認をされ、不織布の帽子を被せられる

それほど大きな病院ではないから手術室は1ヶ所で、内部は3室か4室のようだった

一番右の部屋へ向かう

ドラマで見るほどの広さはない

確かに、音楽は掛かっていた笑

細い手術台に乗り、右腕に血圧計を取り付けられる

5分に一度、自動的に測定されるものらしい

心電図の電極も貼り付けられ、早速、不整脈を感知し、異常音を奏でている

ホントに音楽掛かってますねと昨日とは別のオペ看に言うと、嫌ですか?と聞かれた

「いえ、別に…マイリトルラバーですね」

誰の趣味なのか不明だが、JUJUがカバーした “Hello,Again” だ

看護師から「私たち、同年代ですから」とどうでもいい情報を教えられる

そして麻酔科医がやってきたが…あんた誰?城之内先生ではなかった笑

若そうに見えたが…初見の男性医師で、驚くほど手際がいい?迷いがない

あっという間に点滴のルートを確保し(血管細めの私に、こんなにスッと入るなんてすごいな)、硬膜外麻酔の準備に移る

看護師に「私、いつパンツ脱ぐんですか?」と聞くと、こちらでやるのでと言われる

そうこうされている間に「私さーん」と声を掛けられる

裸眼なので分からなかったが、B先生のようだ

裸眼だと、麻酔科医と全く見分けがつかなかった…二人とも眼鏡だし…

あ、先生…よろしくお願いします…と答える

 

ドラマでは執刀医は患者が麻酔で眠ってから入室しているけれど、実際はそんなことはなかった

それに、第一助手も第二助手も見当たらなかった…先生一人で全部やるの?(いたのかもしれないが、裸眼視力0.1未満なので見えない)

ぼんやりとしか見えないが、厳重な手術衣を着ているようには見えなかった

 

準備が整ったようで、マスクを掛けられる寸前に思い出す

「もしかして、これすると私、眠っちゃう??」

それは酸素で、麻酔は点滴ですよと言われ、そう言えばそう説明されていたと思い出す

「先生、私…」

「キレイに縫うんですよね。聞いてますよ」

そうそうそう!良かった~ちゃんと申し送りされていて

「お願いします…(ちゃんとやらないと、後で中庭に…)」

そうこうするうちに麻酔薬が投与され、「もう意識なくなりますよ」と言われ2回まばたきをする間に意識は遠のいていった…

 

結局、3曲目の "Time goes by" までしか聴けなかった