入院１０日目（手術から８日後）

早朝、起床時間前だというのに病室の隣にある談話室で老人数名が話しているのが気になり、目が覚めた

思えば、入院してからずっと、慢性的に寝不足である

２２時消灯で、今ではその時間にも慣れたが、眠りが浅い

時間は長いが、質が良くないって感じ

自宅の枕やリネン、ベッドが恋しくなる

しばらく我慢したが、同室には昨日手術を受けた人が二人おり（昨夜の急患の人は、いつの間にかいなくなっていた抗がん剤治療受けていた人のところにチェックイン）、あんなにうるさくては眠れないだろうと、一番楽に動けるはずの私がベッドから出て、老人たちに声が響くと言いに行く

Ｂ病院の２～４人部屋は、常に扉は開いている（夜間でも開放）

建物の構造や配置上、壁に反響して、よりうるさく聞こえる仕組みだった

時計を見ると、まだ５時ではないか…迷惑すぎるだろ…大人しくベッドで寝てなさいって笑

脚の腫れはかなりひいていた

脚単体で見れば分からないくらいだが、太ももとの色の差は歴然

臀部の腫れは、まだまだ

この硬いベッドでは、治る（治す）のは難しいかも

朝、便意はあったが、いきむと腹部が痛くなったので諦める

色々、いろいろ…そろそろ、家に帰りたい

これ以上、病院で治す（治る）のには限界を感じる

この先は、環境や精神的なもののように感じていた

使い慣れた部屋や物、清潔なシーツや服、心地いい空気、制限のないシャワー、質のいい眠り、リラックスできるトイレ、独りの時間…これらが今、私が必要とするものと分かっていた

いずれも、病院では得られないものだ

昨日の回診のとき、「退院します！」って言っておけばよかったと今更悔やむ

朝の回診のときに、オロパタジンがなくなったから追加で欲しいとＢ先生に言うと、もういいでしょ？って

いやいやいや

何言っちゃってるの

そんなこと言うなら今すぐ病院脱走して、家にあるアレロックをがぶ飲みですよ

などとケンカするようなことは言わず、どうやらこれまでＢ先生には見せていなかった臀部の腫れを披露する

（看護師やＣ＆Ｄ先生には見せたが、Ｂ先生は知らなかった模様）

もー、Ｂ先生が私の身体で見ていないところは、おっぱいくらいだろう…こうやって、人は恥じらいをなくしていくんだ…

無事にオロパタジンをもらえることになる

左臀部の半分、腫れてるんだからね、マジで

午後、看護師から「外来のところで診察があるので、あとで呼びに来ます」と言われる

ってことは、内診か…こんなことなら念入りにシャワーを浴びたのに！

と思ったところでどうしようもない

風呂に入ったのは昨日の午後で、腹に大きな傷を抱えているし蕁麻疹だらけなので、ゴシゴシと身体を洗えない

あー先生ゴメンナサイ…と思いつつ、外来診察室へ行き、内診台に乗る

そして、この日はとんでもなく内診が痛い…痛い…

痛いと言うと、下に便が溜まってると言われる

もう、飼われている動物の気分である…そんなことまで言われるんですか、私

まあ、それまでゆるゆるだった便が、昨日からピタリと止まっていた

普段、二日出なかったとしてもこんな便秘感はないけど、昨日からお腹が苦しくて不快感が募っていたのは確かである

台から降りた後、診察室で話を聞く

とりあえず、酸化マグネシウムと下剤を処方すると

そして、退院処方の薬について打ち合わせる

しばらく、酸化マグネシウムは調整して服用すること

そしてオロパタジンを１０日分出してもらうことになった

それから、摘出した子宮（筋腫）と卵管について病理検査の結果が出ていた

いずれも悪性とは認められず、とのことで安心する

じゃあ、明後日退院で…次回の外来は１ヵ月後に（既に予約は取られていた）ということに

っつーか、先生、働きすぎじゃね？？

昨日は手術４件で当直、今日はフツーに日勤？？？

電通もびっくりですよ

「先生、昨日も当直で今日もずーっと勤務なんですか？？」と聞くと、まあ、慣れてます…だって

アイアンマンだな

隣の人が別室から戻ってきていたが、めまいがひどくて起き上がれないらしい

手術前、あんなに食事を欲していたのに（看護師にいつ食べられるのかしつこく聞いていて笑けた）、出された食事も食べられないようだった

まあ、食指が伸びるようなメニューじゃないけどね（重湯だろうし）

斜向かいの人も痛みがひどいらしく、許される最大量のロキソニンを飲んでいるようだ

そう考えると、そこまで痛みや後遺症がなかった私はツイていたようだ

夕食後に酸化マグネシウムを飲み、寝る前にアローゼンという下剤を飲む

看護師曰く、アローゼンは８時間後に効くと

腸は相変わらず、活発に動いている（毎日、聴診器で確認される）

明日の朝には、この便秘は解消されるか…