B病院で初診を受ける②
私が椅子に腰掛けると、開口一番、B先生はこう言った
「(本当に申し訳なさそうに…)大変お待たせしてすみません…」
先手を打たれ、不機嫌を直す
これまで大きな病院の医者って、「患者は待って当然!予約時間どおりに、回るわけなんてなかろう!こっちも忙しいんだよ~」って空気がプンプン漂っていて、こちらもその匂いに鼻が慣れていた
だから低頭平身までは言わないにしろ、恐縮しているような医師の態度にこちらも恐縮した(そもそも、B先生は既に時間外勤務だろう)
ああ…この病院の教育はこういう感じなんだ…
病院とて客商売だし、昨今は医療機関専門のクチコミサイトなんかもあるしね
B先生はその名前とは裏腹に大変物静かかつ丁重で、私がワイワイ話すのを落ち着いて聞いていた
そりゃそうか
男性の婦人科医が超エネルギッシュなタイプだったら、患者は普通に引くからなー
一番知りたかったことは、このサイズの子宮筋腫で手術を受けることは妥当なのか?なのだが、先生はどっちつかずの返事をした
「もっと小さくても手術を受ける方もいますし、メロンみたいに大きくなっても手術を受けない方もいますし。どちらでも…」
メロン???
恐らく、マスクメロンの大きさだろうね
その大きさの筋腫をお腹に抱えて堪えるって、どんな神経してるの??
ちなみにこのときは3月で、既に私の心は手術を受けることに決まっていた
昨年晩夏からこれまで、何回も月経があったが、毎度しんどくなっていた
あと10年は堪えられそうになかった
もちろん、A先生からの紹介状には子宮切除してほしい旨の内容が書いてあるのだろうが、B先生は当然、腹式・膣式・腹腔鏡の3つの術式を提示した
そこで、私が何も説明せずに「開腹で」と即答したことを不思議に思っているだろうが、特に何も言わなかった
こちらも何も言わない
まさか、医者を目の前にして「貴方という医師の技量が分からないから、腹腔鏡は御免こうむる!」とは言えない
そもそも、B先生が執刀するかも分からず、それを質問することによって「D大学からD准教授が来るので…」みたいなことを言われるのも厄介だった
(注:今になって思えば、嫌われてもいいからつっこんで聞けばよかったかもしれない。B医師の、腹腔鏡下子宮全摘術の経験数を。淡々と答えただろうな)
子宮切除は決めていたので、そうすることによって生まれる(かもしれない)不安を先生にぶつけまくった
「この手術を受けて、しっぱ…いえ、起こりうる悪い事態について全部教えてください」
「先生、ネットで見たんですけど、子宮を切除したら私、尿もれしますか???」
「子宮がなくなったら、セックスしたとき、相手側はやっぱり違うんですか?」
とりあえず、内診しましょうか…となり、私は件の大嫌いな台に乗った
相変わらず痛いんですけど!
痛いと訴えると(毎度オーバーに言うことにしている。本当は堪えられるレベル)、大分和らいだ
ふーん、やっぱ男の人は加減してくれるんだ…
女同士だと、「これくらい大丈夫!」ってバレるからな…
(長いので、さらに続く)